西山寺(牧之原市)概要: 医王山西山寺は静岡県牧之原市西山寺に境内を構えている高野山真言宗の寺院です。西山寺の創建は平安時代初期の天長2年(825)、弘法大師空海(真言宗の開祖)によって開かれたのが始まりと伝えられています。歴代領主から庇護され、中世は遠江守護である今川氏の庇護となり今川義元、今川氏真から寺領が安堵されていました。元亀3年(1572)、武田信玄による遠江侵攻のの兵火で堂宇、寺宝、記録などが焼失し一時衰退しますが坊の一つである珠泉坊を西山寺として再興しています。江戸時代に入ると幕府により庇護され、慶安2年(1649)には3代将軍徳川家光により寺領20石の朱印状を賜っています。正徳2年(1712)に現在地に境内を移し本堂なども移築されました。
現在の本堂(薬師堂)は寛永13年(1636)に再建されたもので木造平屋建て、寄棟、茅葺、妻入、桁行3間(約5.4m)、梁間3間(6.4m)、正面に1間向拝付、外壁は真壁造板張り。本坊の山門(切妻、桟瓦葺き、一間一戸、四脚門)に施されている龍の彫刻は、左甚五郎の高弟中山伊平次が彫り込んだものと伝えられています。本堂山門は、切妻、桟瓦葺き、三間一戸、八脚単層門、桁行3間、張間1間、左右には運慶が彫刻したと伝わる仁王像(金剛力士像)が安置されています。山号:医王山。宗派:高野山真言宗。本尊:薬師如来。
西山寺の文化財
・ 西山寺本堂(薬師堂)-寛永13年-寄棟,茅葺,妻入-静岡県指定文化財
・ 薬師瑠璃光如来-藤原後期-桧材,寄木造,像高52.5p-静岡県指定文化財
・ 磬(けい)-南北朝時代-鋳銅製,横形長方形,重さ260g-静岡県指定文化財
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